私は長年、家庭連合、旧・統一教会本部に所属し、二世や家庭の教育・相談に携わってきました。既に離れた身とは言え、教会の問題については、同じく批判を免れない立場であると自覚しています。小川さゆり(仮)さんをはじめ、教会によって被害を被った方々には、ただただ申し訳ない思いです。
本来なら、口を閉ざしているべき立場であるに違いありませんが、私が先月、メディアに文書を投稿し、取材に応じた理由は、これ以上、教会本部が問題に蓋をし、今々の体制を守ろうとしてしまっていては、現状は何も変わらない、と強く感じたからでした。これ以上、信徒やその家族、二世たちが組織の犠牲になってはならないと思いました。
また、現教会の問題や誤った指導ゆえに、多くの信徒が心から信じ、身を投じてきた統一運動本来の精神や信仰の本質まで毀損させたくない、という思いもまた、メディアに意見を投じた理由の一つでした。
自ら半生を投入してきた教会の問題について言及し、メディアの取材に応じることは、私自身にとっても心穏やかではなく、ためらわれる思いもありましたが、だからと言って、黙っていることが教会のためになるとも、信徒を守ることになるとも思えませんでした。
こうした報道に触れた現役信者のなかには、共感や感謝、激励のメッセージを送ってくださる方々もおられましたが、一方で、「あなたは教会に石を投げるのか」「マスコミに魂を売ったのか」「なぜ教会内に不和を生じさせるのか」といった声もいただきました。
教会内では、私が「『反対派』や『左翼メディア』と手を組んで教会を攻撃している」という説明もなされていたと聞いています。
混乱の中、多くの誤解が生じてしまうことは承知の上ですが、単に「メディアが問題だ」「批判報道は左翼の操作だ」「櫻井も、被害を訴える人々も、皆、反対派に利用されているのだ」と思い続ける限り、教会の問題に気付けないばかりか、さらなる問題や被害を生み出してしまうに違いありません。
仮に、宗教法人格が失われたとしても、団体そのものが解体される訳ではありません。組織に対する外的規制が敷かれたとしても、誤った「信仰」が正されない限り、また新たな被害が生み出されてしまうのではないでしょうか? 結果、最も犠牲を背負わされるのは信徒自身であり、その家族なのです。
このブログは、家庭連合、旧・統一教会の現役信徒の方々、並びに、一般社会でこの問題と真摯に向き合ってくださっている方々に向け、問題意識を分かち合いたい思いで立ち上げました。
今から5年前、教会本部を追われたとき、教会内の信徒の方々に向け、真実を伝えるためのブログを書き綴っていたことがありました。3年前、これ以上、過去を振り返っている時ではないと思い、ブログを閉鎖しましたが、今改めて現状を見つめながら思うこと、並びに、昨今メディア各社に私が伝えてきたところを、報道されていない部分も含めて、ざっくばらんに書き綴ってみたいと思います。
今後どれくらいの期間、ブログを続けていくことになるかは分かりませんが、今々の統一教会問題、並びに、今後の宗教や信仰の在り方を考えていく上で、何らかの参考にしていただければ幸いです。
※ 私の基本姿勢は是々非々です。いたずらな教会批判は望みませんし、行き過ぎた報道やバッシングには異議を呈します。しかし、事実は事実、問題は問題として受け止めるべきであって、教会の過ちや組織問題を擁護しようとは思いません。また、分からないことについては言及を控え、確かでない情報に触れる場合は、そのことを明記した上で記したいと思います。
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