sakuraimasaue

2024/7/8

安倍元首相銃撃事件から2年 ~ 何が変わり、何が変わっていないのか?

2年前の今日—。平和な国・日本において、白昼堂々、元国家元首が犯人の凶弾に倒れるという信じがたい速報に、日本全土が衝撃に包まれ、多くが耳を疑ったことでしょう。 その数日後、この事件が旧統一教会に対する怨恨から引き起こされたという背景が報じられたことで、国民の悲嘆と憤怒の矛先はその教団へと向けられました。 かけがえのない人物を喪ったことへの悲憤と共に、皮肉にも、犯人の置かれた悲痛な境遇が、多くの「宗教二世」の“共感”を呼んだからです。 事件の真相究明も大事でしょう。しかし、教団に関わってきた立場から見るとき ...

2023/11/9

統一教会の記者会見を視聴して ~真摯な謝罪か?組織防衛か?

去る11月7日、旧・統一教会(以下、教団)の田中富広会長が、勅使河原秀行(教会改革推進本部)本部長と共に記者会見を実施。昨年8月以来初となる教団トップの会見ということで、「なぜこのタイミングなのか」「会見の目的は何か」に注目が集まりました。 当然、「解散命令請求」が出されたことを受け、教団としての「組織防衛」に向けた会見となることが予想されましたが、同時に「謝罪」や「引責辞任」の話も飛び出すのではないか、と囁かれていました。 会見の様子は終了直後から各メディアを通して報じられ、既に様々論じられていますが、 ...

2023/10/17

統一教会への解散命令請求❷ ~信徒の自由と解放を願って [後編]

昨日16日、統一教会(教団)の記者会見が行われ、教団は改めて日本政府との対決姿勢を露わにしました。 教会組織としては最後までそのスタンスを貫き通すに違いありませんが、信徒の方々には、世間の誤解は誤解として、教会の課題は課題として、冷静に見つめていただきたく思います。 組織の課題まで背負い込み、いたずらに社会と対立していただきたくないと思うからです。 さて、[前編]では、私たちが払拭すべき信仰観として、「献金」に関する捉え方について記しました。今回はその続きから記していきたいと思います。 組織中心の信仰観か ...

2023/10/14

統一教会への解散命令請求❷ ~信徒の自由と解放を願って [前編]

日本政府は昨日、東京地裁に旧統一教会(以下、教団)への解散請求を行いました。 信徒の方々にとって、統一運動に半生、或いは生涯を捧げてきて人々にとって、これがどれほど悲痛な現実であるのか、私にも痛いほど分かります。 教団は徹底抗戦を決め込み、国を相手取って最後まで法廷闘争を続けるに違いありません。それが「組織」としての対応なのでしょう。 しかし、「私たちは正しかった」「これは国による宗教迫害に過ぎない」と主張し続けることは、社会からの信頼を回復し得ないばかりか、信徒の方々自身にも大きな混乱をきたすに違いあり ...

2023/9/16

統一教会への解散命令請求 ~ 改めて教団に願うこと、社会に求めること

周知の通り、今月3日、旧統一教会(以下、教団)の解散命令請求が、早ければ10月中旬を目途に進められていることが報じられました。 7日には、教団が100項目以上の回答を拒否していることを理由に、文科省が東京地裁に過料を科すように請求。 これを受け、翌8日には、教団側が記者会見を開き、そもそも質問権の行使自体が“違法”であり、元より回答を全面拒否することもできたのであって、過料請求には徹底抗戦する、といった見解を示しました。 今後の行く末は分かりませんが、「国が教団の解散請求に向けて舵を切った」というのが紛れ ...

2023/8/20

三男 顯進氏による改革(00年代)~統一教会の何が問題だったのか?[後編]

前編では、顯進氏が統一運動、並びに二世教育に対してどのようなビジョンを掲げ、これを変革して行ったかについて見てきました。 後編では、同氏が青年圏の運動と共に、日本の献金体制そのものを改革しようとしていた事実に触れながら、当時の改革で何が変わり、何が変わらない課題として残されてしまったかについて見ていきたいと思います。   CARP・青年運動の改革 ~親泣かせ原理運動から周囲を感化する文化運動へ 顯進氏が二世教育と共に、大学生・青年運動の変革に着手したのは、2000年3月、W-CARP会長に就任してからでし ...

2023/8/20

三男 顯進氏による改革(00年代)~統一教会の何が問題だったのか?[前編]

今年に入って数回、海外メディアからの取材に応じることがありました。 高額献金から宗教二世問題、政治とのつながり等、主な質問事項に違いはありませんでしたが、教団内の課題や信徒の悲痛な現状について言及した際、決まって訊かれたことがありました。 それは、「内部に問題意識はなかったのか」「現状を改革しようとする動きは起こらなかったのか」ということです。 前回、統一運動の沿革を簡単に説明しましたが、2000年代、三男・文顯進(ムン・ヒョンジン)氏を中心として起こった「内部改革」の顛末は、現教団を理解する上で、極めて ...

2023/7/30

統一運動の正道と統一教会の終焉 ~自主的改革か? 強制的解散か?[後編]

前編で述べた通り、統一教会の終焉は、統一運動が進むべき本来の方向性であり、必然的帰結でした。 言い換えれば、教会組織が中心となって「全体目的」を推進する、上意下達の指示系統をもった「中央集権型の組織体制」は、90年代をもって“終焉”を迎えていなければならなかったのです。 体制が変わることなく迎えた2000年代、若い世代を中心に大きな改革運動が起こってきました。後編では、こうした改革の流れとその結末を簡単に記そうと思います。   "体制派"と"改革派" (00年代) ー 教会改革と二つの流れ 正直に言うなら ...

2023/7/29

統一運動の正道と統一教会の終焉 ~自主的改革か? 強制的解散か?[前編]

先日26日、文科省は旧統一教会(以下、教団)に対し、7回目となる質問権を行使しました。 こうした繰り返されるやり取りに、「解散請求はもはや暗礁に乗り上げているのではないか」という声もあれば、「国は着々と証拠固めを進めているのであって、今夏にも解散請求が出されるだろう」とも言われています。 仮に解散請求が出され、「教団解体」という方向に向かう場合、信徒に与える不安や混乱は大きく、信徒個々の社会生活に支障が生じたり、教団職員の家族が路頭に迷うといった、新たな悲劇も生じかねません。 「信教の自由を侵害された!」 ...

2023/7/8

統一教会の現状とこれから ~安倍元首相銃撃事件から一年 [まとめ記事]

昨年の今日、安倍元首相銃撃という、日本中を震撼させる事件が起こりました。 他に類を見ない、こうした非情なテロ事件を受け、社会の批判が向かった先は、これを引き起こした「犯人」ではなく、彼をそこまでの窮地に追いやった「宗教団体」でした。 槍玉に挙げられた団体、旧・統一教会は、今に至るまで、この一連の騒動が「反対派と左翼メディアの扇動によるもの」という主張を変えておらず、信徒にもそう説明しているといいます。 しかし、人々の多くが、「テロ行為」に訴えた青年の蛮行を糾弾しつつも、それ以上に「教団」の問題に矛先を向け ...